めぐりめぐる輪廻のナカで 3
――ボクの耳元で誰かが囁いた。 新しい世界の生活にようやく慣れてきたこの頃。 ふとした時に過去の事を思い出すようになった。 時が経つ毎に、過去のツラい体験が悪夢となって襲ってくる。 次第に、お世話をしてくれるメイドのエルにまで冷たく当たってしまい、そして、そんな自分に嫌気がさしていた。 悪夢に悩まされる毎日に心身ともに疲れ果てていた時、この世界に来たときに案内をしてくれたウルルから呼び出される。 ただ、聴いてほしい。 そんな事を一心に、指定された場所に向かう。 向かっている途中、ふと、視線を見上げた時。 青々とした空が酷く忌々しく感じた。 悩み、苦しみ、暗い場所にポツンと取り残されたような心境に吐き気すら覚える。 そんな言いようのないナニカに心を蝕まれながら、寂々とした道を歩いた。 向かった先にあったのは壮厳な教会だった。 そこで待っていたウルルに、悩みを聞いて貰えることに。 相談をするとウルルの様子が――・・・。